夏の賑わいが少しずつ遠ざかり、海には静かな時間が流れはじめる。
季節が巡るのは、私たちが暮らす陸の上だけではありません。
海の中にも、静かに季節は移ろい、その流れの中で、生きものたちは命をつないでいきます。
孵化した小さなウミガメが、砂浜から海へ帰っていくように🐢
そして私たちの愛犬の身体の中でも、季節はゆっくりと巡っています。
夏の暑さが少しずつ落ち着き、秋へ向かうこの頃。
その変化に身体を寄り添わせていくことも、季節の養生なのかもしれません。
処暑の薬膳は、
夏の名残をいたわりながら、
これから迎える秋へ、身体をやさしくつないでいくごはん。
今回は、そんな季節の移ろいを、海の恵みを使った一皿に込めました。

二十四節気「処暑」とは
処暑は、二十四節気の14番目の節気。
太陽黄経が150度となる頃で、名前のとおり「暑さがおさまる頃」を意味します。
立秋を過ぎても、まだまだ暑さの残る時期ですが、朝夕の風や空の色に、少しずつ秋の気配を感じられるようになります。
夏の盛りから、秋へ。
処暑は、季節が大きく移り変わっていく、その境目にあります。
まだ夏の名残を感じながら、少しずつ秋へ向かっていく。
そんな静かな季節の移ろいを感じる頃です。
この時期の犬の体調
暑さが続いた夏の終わりは、愛犬の身体にも少しずつ疲れが現れやすい時期です。
暑い日が続くと、食欲が落ちたり、活動量が減ったり、冷たいものや水分を多くとることで胃腸に負担がかかることもあります。
そして処暑を過ぎると、暑さが和らいでいく一方で、少しずつ空気が乾燥する秋へと向かっていきます。
だからこそ、この時期は、
夏の暑さで消耗した身体をいたわりながら、秋へ向かう身体を少しずつ整えていくこと。
それが処暑の養生のひとつになります。
食事も、暑さを冷ますことだけを考えるのではなく、身体に必要な栄養や水分を補いながら、胃腸にやさしく、温かみのあるものへと少しずつ移していきたい季節です。
処暑の薬膳ポイント
処暑の薬膳で大切にしたいのは、
「夏の疲れをいたわり、身体をうるおしながら、秋へつないでいくこと」です。
夏は汗をかくことで、身体の「気」や「津液(しんえき)」を消耗しやすいと、薬膳では考えます。
一方、秋は「燥(そう)」の季節。
乾燥によって身体のうるおいが不足しやすくなるため、処暑の頃から少しずつ身体をうるおすことも意識していきます。
そこで今回は、
- 夏の疲れをいたわる
- 気を補う
- 身体に必要なうるおいを補う
- 秋の乾燥に備える
- 胃腸に負担をかけない、温かな食事にする
ということを意識して食材を選びました。
まだ夏の暑さが残る一方で、秋へ向かう身体。
その変化に寄り添うように、夏と秋、海と山の恵みを一皿に。
それが今回の処暑の薬膳です。
今回の食材の薬膳的な働き
🐟 さんま
今回の主役は、秋の味覚を代表するさんま。
薬膳では、さんまは温性・甘味の食材として考えられ、身体を温め、気を補う方向に働くとされます。
夏の暑さが少しずつ落ち着き、秋へ向かうこの時期に、温かな食事として取り入れたい食材です。
🍅 トマト
夏の名残を感じさせてくれるトマト。
薬膳では涼性の食材で、身体の熱を冷まし、津液を生み出して身体をうるおす方向に働くと考えられています。
まだ暑さの残る処暑には、夏の余熱をいたわりながら、身体のうるおいを補う食材として取り入れました。
夏の名残を、この一皿に。
そんな役割も担っています。
🍄 しめじ・まいたけ
きのこは、秋の気配を感じさせてくれる食材。
しめじやまいたけは、薬膳ではそれぞれ性質や働きが異なりますが、気を補い、身体を支える食材として取り入れられます。
今回は、海の食材だけでなく、秋の山の恵みも一緒に。
海と山、夏と秋。
季節の境目にある処暑を、一皿の中で表現しました。
🌊 もずく
海からの恵み、もずく。
海藻類は薬膳では、身体の余分なものを排出することや、水分代謝を整える方向で考えられる食材です。
今回はスープにするのではなく、リゾットの中に加えました。
とろりとしたもずくが料理になじみ、海そのものを一皿に溶かし込むような存在になっています。
🥛 ヤギミルク
ヤギミルクは、リゾットの仕上げに少量。
薬膳では、乳類は身体を補い、うるおいを与える食材として考えられることがあります。
今回はたくさん使うのではなく、だしに少し加えて、食事全体をまろやかに。
夏の疲れをいたわる、やさしい一皿に仕上げました。
※乳製品は犬によって合う・合わないがありますので、初めて与える場合は少量から様子をみます。
🌰 松の実
小さな松の実にも、今回の季節にぴったりの意味があります。
薬膳では松の実は肺や腸をうるおす方向に働く食材として考えられています。
秋は乾燥が気になり始める季節。
これから迎える秋に備え、身体のうるおいを意識する食材として、仕上げにほんの少し加えました。
脂質が多い食材なので、今回は「少々」にしています。
焼きさんまのヤギミルクリゾット〜レシピ〜
材料
- さんま…小一尾(可食部約80g)
- 炊いたごはん…70g
- まいたけ•えのき…各15g
- トマト…30g
- もずく…15g
- しじみのだし汁(または水)…70cc
- ヤギミルク(粉)…小さじ1(約2.5gを30ccのお湯でとく)
- 松の実…少々
- イタリアンパセリ・少々
- 🐢うずらの卵…2個(茹でておく)
- 🐢チェダーチーズ…少々

作り方
- 手順1さんまはそのままグリルで焼いておく。
- 手順2きのこはみじん切り、トマトは1cm角に切る、もずくは5mmくらいの長さに切る。松の実・イタリアンパセリもみじん切り。
- 手順3フライパンにあさりの出し汁、お湯でといたヤギミルクを入れて火にかける。煮立ってきたら、きのこ・もずく・トマト・ごはんを入れて弱火でコトコト煮る。


- 手順4リゾットを盛り付け、焼いたさんまを乗せて、刻んだ松の実とイタリアンパセリを散らす。
うずらの卵で作ったウミガメをのせる。うずらの卵にチェダーチーズで作った頭・足をつける。目は黒ごま。
カロリーと給与量の目安
今回の処暑のリゾットは、全量で約385kcalです。
我が家では、体重12kgの成犬の1日の必要カロリーの約1/2日分を目安にしています。
必要な食事量は、年齢や体重、運動量、体質などによって異なりますので、愛犬に合わせて量を調整してください。
まとめ
夏の暑さが少しずつやわらぎ、季節は静かに、秋へと歩みを進めています。
処暑の一皿では、まだ夏の光を残す海と、そこに生きる小さな命を思い浮かべながら、一皿のリゾットに季節の景色を描きました。
うずらの卵のウミガメは、夏の終わりの海で生まれた小さな命が、海へ帰っていく。
その姿に、季節の流れの中で命がつながっていくこと。
そして、私たちの愛犬の身体もまた、季節とともに変化していること。
そんな思いを重ねました。
海を渡った季節の風は、やがて大地へ。
朝夕の空気が少しずつひんやりと変わり、草木には白い露が宿りはじまます。
次の節気は「白露」。
夏の名残をそっと手放しながら、
秋の気配が、海から大地へと静かに広がっていく頃です。
次の一皿では、そんな秋の大地に目を向けて、この季節を生きる愛犬の体に寄り添うご飯を作ってみたいと思います。
季節はひとつずつ姿を変えながら、次の季節へとつながっていきます。
その小さな変化を感じながら、愛犬と一緒に、今日の季節を味わっていけたらと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございます🎵


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